ユーチューブ、香港デモのテーマ曲に制限 香港からの閲覧を遮断
(CNN) 動画投稿サイトのユーチューブは15日までに、香港の民主化運動で歌われたテーマ曲「香港に栄光あれ」の動画を香港からは閲覧できないよう、アクセス制限をかけた。
ユーチューブは15日の声明で、この曲が流れる32件のリンクについて、裁判所命令に基づき香港からの閲覧を遮断したと発表した。
対象のリンクには歌のない楽器演奏版や、手話版も含まれている。香港から閲覧しようとすると「裁判所命令により、この国別コードでは閲覧できません」などと表示される。
ユーチューブの報道担当者はCNNの取材に対する返信メールで「裁判所の判断は残念だが命令には従う」と述べ、引き続き異議申し立ての選択肢を検討すると表明した。
「香港に栄光あれ」は2019年8月に仮名のミュージシャンが書き下ろし、民主化運動の非公式のテーマ曲となった。歌詞には香港の解放や革命など、20年に非合法化されたスローガンが含まれ、香港政府と裁判所は分離主義的、反体制的な意味合いを持つとして問題視してきた。
香港の司法当局は昨年6月、この曲の放送や配信を禁止する裁判所命令を求めた。当局の訴えはいったん退けられたものの、上訴裁判所で先週認められた。
ユーチューブを傘下に持つグーグルはCNNの取材に対し、裁判所の判断を精査しているとメールで答えた。