Xへの来年の出稿、マーケ担当者26%が削減を検討 記録的な落ち込み
ロンドン(CNN) X(旧ツイッター)に出稿する企業のマーケティング担当者の26%が、過激コンテンツでブランドが毀損(きそん)される可能性への懸念から、来年の広告費削減を検討していることが分かった。市場調査会社カンターが5日、報告書を発表した。米起業家イーロン・マスク氏率いるXの財務状況にとって新たな打撃となる。
カンターによる世界規模の調査で判明した。世界の主要広告プラットフォームで過去最大規模の撤退となる。Xへの出稿が「ブランドの安全性」、つまり過激コンテンツの隣に表示されない確信をもたらすと考えるマーケティング担当者はわずか4%にとどまり、グーグル広告の39%とは大きな差が付いた。
カンターのメディア部門ディレクター、ゴンカ・ブバニ氏は声明で「広告主はここ数年、Xからマーケティング予算を引き揚げている」と説明。「状況が好転する可能性は現時点では低いとみられる」と付け加えた。
「Xは近年大きく変ぼうしており、翌日どうなるかも予想不可能な状況だ。こうした環境でブランドの安全性に自信を持つのは難しい」としている。
ただカンターによると、以前より広告が減ったことから、消費者がX上の広告に対して抱く印象は改善しているという。
今回の調査結果は、6月に行われた世界最大の広告祭「カンヌライオンズ」で見せたマスク氏のアピール攻勢が奏功しなかったことを示す。マスク氏は広告主に「くそ食らえ」と告げた昨年の立場から一転、広告大手WPPのマーク・リード最高経営責任者(CEO)とのインタビューで歩み寄りの姿勢を示し、広告主は「自社ブランドと両立しうるコンテンツの隣に表示する権利がある」との認識を示していた。
マスク氏が440億ドルを投じて行った2022年の買収以降、主要ブランドはXから撤退している。コンテンツの投稿管理に関する懸念や、プラットフォームの方向性を巡る不透明感が背景にある。
カンターの報告書は二十数カ国の上級マーケティング担当者1000人や消費者1万8000人を対象にした調査に基づく。