「モロッコの黄金」 アルガンオイルが地域を救う
今では170の組合で、約5000人の女性たちが働いている。「女性が自立し、自分たちで子どもを養うこともできるようになった」と話す従業員もいる。
アルガンオイルは経済、社会面だけでなく、環境面でも地域に良い変化をもたらしたと、シャルーフさんは語る。
30年前、アルガンは森林破壊で絶滅の危機に直面していた。だが今、アルガンの植生地は砂漠化を食い止める役割が認められ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保護区(RBA)に指定されている。シャルーフさんによれば、毎年6万本が新たに植えられているという。
アルガンオイルの商業化が進んでも、殻を割る工程で女性たちの手作業に勝る機械はない。仕事は当面、途切れることがないだろう。シャルーフさんは「アルガンオイルの価格が上昇し、女性が外へ出て学ぶ機会を与えられ、植林が進んで環境も守られる。とても喜ばしいことです」と、明るい表情で語った。