1泊数百万円、世界の超高級スイート
(CNN) スイス・ジュネーブにあるホテル・プレジデント・ウィルソンの「ロイヤル・ペントハウス・スイート」の宿泊料金は1泊8万3200ドル(約850万円)。世界一高額なホテルの部屋だ。
寝室と浴室がそれぞれ12室あり、ぐるりと四方を囲むテラスからはアルプスの山々が望める。スタインウェイのピアノも用意されている。自前のスタッフを連れていなくても、世話をしてくれるバトラーやシェフがいる。
「1泊数万ドルという部屋は90年代にもあったが、今ほど数は多くなかった」と、FBRキャピタル・マーケッツの宿泊業界株式調査担当副社長のニヒル・バラ氏は言う。「20~30年前に比べて世界はずっと多くの富豪を生み出してきた。こうした部屋に泊まる金を平気で出せる人々の数も何倍も増えた」
昨年、1億4000万ドルかけた改修を終えたニューヨークのパレスホテルの超高級スイートは1泊2万8000ドル。パレスホテルを運営するホテルグループのスターウッドによれば、同グループが開業準備を進めている約40軒のホテルのうち、約半数に超高級スイートがあるという。
こうした超高級スイートでは、必要に応じてバトラーやシェフ、トレーナーや運転手をたいていは無料で利用できるほか、来客用の寝室や食堂や居間、仕事用のオフィスも用意されている。美しい景色や立地のよさは当たり前で、専用の出入り口があることも多い。
フォーシーズンズホテルの欧州・中東・アフリカ地域の責任者であるクリストファー・ノトン氏によれば、超高級スイートの真価は広さよりもサービスにあり、「ホテル側は、お客様がどんな人物でどのように行動し、何を欲しているか理解しなければならない」と述べる。