モーリシャス、人種と文化のるつぼ
食べ物
料理ほどモーリシャスの多様性を端的に示すものはない。首都ポートルイスのにぎやかな中央市場には、キャッサバやしょうゆから、ダール、ロティに至るまで、世界各地の食品や農産物を求めて、数千人の人々がやってくる。
「ここに来れば何でもそろう。中華の売り場もあるし、クレオールの果物や野菜も売っている。われわれはいくつかの根菜、地元の食材、欧州の食材を混ぜ合わせて、1つの料理に仕上げる」と語るのは、モーリシャスの五つ星ホテルのシェフ、ビジェイ・パーラキーさんだ。
音楽
モーリシャスの人種的、文化的多様性を考えれば、この国の音楽にさまざまな音楽のスタイルが組み込まれているとしても驚くに当たらないだろう。この国の伝統音楽である「セガ」は、最近、ジャマイカ発祥のポピュラー音楽「レゲエ」の影響を強く受けた「セゲエ」と呼ばれる全く新しいスタイルの音楽に生まれ変わった。
「われわれは、モーリシャスが抱える真の問題を表現するための新しいスタイルの音楽をどのように始めるかを考え始めた。そして(セガと)最近、モーリシャスでも聞かれるようになったレゲエ音楽との融合に着手した」と語るのは、この新しいスタイルの音楽を支持する地元ミュージシャンのRas Natty Babyさんだ。
「(セゲエは)言わば、あらゆる物から解放された音楽だ。音楽に国境はない。権力者が音楽に国境を定めようとしても、音楽は風や水のように国境を越えていく。音楽の表現方法は無数にあり、音楽を遮断することはできない」(Ras Natty Babyさん)