名車の宝庫 ドイツの自動車博物館を訪ねる

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時速600キロを目指して設計されたメルセデス・ベンツT80=ジェフ・ヒスコック氏提供

時速600キロを目指して設計されたメルセデス・ベンツT80=ジェフ・ヒスコック氏提供

1951年のこのレースで、ポルシェ356SLクーペが1.1Lクラスで優勝、全体でも20位に入った。ポルシェは70年から87年の間にルマンで他を圧倒する12勝を挙げ、さらに90年代にも4勝を挙げた。

同じくシュツットガルト市にあるメルセデス・ベンツ博物館には、世界初のガソリン車と言われる三輪車「ベンツ・パテント・モートルバーゲン」(1885年)、1892年に発売された初のダイムラー車、1920年代、30年代に販売された過給機付きのメルセデス・ベンツ「ロードスター」、レーシングスポーツカー「300SLR」をレース場まで運ぶために開発された一風変わった高速輸送車など、さまざまな車が展示されている。

1939年に地上速度記録に挑むために開発された6輪車「T80」は当初、44.5リッター・V型12気筒エンジンを搭載し、時速600キロ達成を目指して設計された。しかし、第2次大戦の勃発で記録挑戦は実現せず、車はエンジンが取り外され保管されることになった。

またメルセデスはモータースポーツの世界でも、車体の色から「シルバーアロー(銀の矢)」と呼ばれたレーシングカーで輝かしい実績を残した。博物館の外には、自動車レースの最高峰フォーミュラワン(F1)で5回のワールドチャンピオンに輝いたファン・マヌエル・ファンジオと、ファンジオが1954年のグランプリで乗ったW196の銅像がある。

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