次の旅行先はイラン? ピンク色のモスクや城塞も
墓地では、取材中ほとんど見かけなかった欧米人観光客に遭遇した。数週間にわたり国内を旅行して回っており、イランを満喫しているという。イランの人々は暖かく歓迎してくれ、インフラも整った環境でバス旅も容易とのことだ。
ただ、欧米人の多くは依然、イランの治安や政治情勢などについて、懸念をぬぐえない状況だ。経済制裁により国際送金網から遮断されているため、イランでは欧米のクレジットカードが使えないという問題もある。イラン政府が制裁の早期解除を求めているゆえんの一つだ。
シーラーズを離れた取材班は、イランの中でも最も有名な場所の一つ、ペルセポリスを目指した。ペルシャ帝国の儀式上の首都であった古代都市だ。
ここでも多くの観光客を見かけたが、大半はイラン人だった。ペルセポリスの遺跡は素晴らしい。紀元前330年ごろにアレクサンダー大王の軍勢によって破壊され、今は廃虚となった多くの神殿跡や宮殿跡が残されている。円柱やフレスコ画の大半は、近隣の採石場で採掘された黒や灰色の大理石で作られている。
イランは、自然、文化、宗教、いずれの点でも観光客にとって見応えのある国だ。世界中から一段と多くの観光客がイランを体験しに来られるかどうかは、核開発をめぐる各国の動向に大きく左右されそうだ。