「エリア51急襲」に地元が危機感 宿泊施設満杯、ガソリンスタンドもなし
(CNN) 宇宙人説が飛び交う米ネバダ州の「エリア51」を急襲しようと呼びかけて9月20日に企画されたイベント。フェイスブックで数十万人が参加を表明したことに、地元が危機感を強めている。
同州リンカーン郡のケリー・リー保安官はCNNの取材に対し、「これほど注目を集めるなんて信じ難い。これほどの規模には対応できない」と話した。
エリア51と呼ばれる空軍基地から最も近いのは、ネバダ州の砂漠地帯にある辺境の町レイチェル。人口は54人。周辺にはゴーストタウンと砂漠しかない。市内の事業所は4件のみで、宿泊や食事ができるのは「Little A’Le’Inn」の1件のみ。
客室数は14室で、9月20日は既に予約が埋まっているという。残る参加者はキャンプ場で野営するしかない。
さらに悪いことに、レイチェル唯一のガソリンスタンドは2006年に廃業した。つまり、レイチェルを目指す場合は約80キロ離れたネバダ州アラモで給油する必要がある。
レイチェルの次にエリア51に近いのがアラモだが、ここも宿泊施設は既に満室か、ほぼ予約で埋まっている。
リー氏によれば、例年この季節には、狩猟やマウンテンバイクの観光客が訪れる。しかしそれでも観光客は数百人どまり。そこへ一気に人が押し寄せれば、わずか1000人でも救急対応が追い付かなくなる恐れがある。
もしも熱中症などの症状に見舞われる人が続出すれば、身の安全が脅かされかねないとリー氏は危惧する。
リー氏も空軍も、エリア51急襲は思いとどまるよう呼びかけており、もしも強行した場合、不正侵入者として当局と対峙(たいじ)することになると警告している。