観光地閉鎖もボランティア受け入れ、フェロー諸島で「ボランツーリズム」が人気
(CNN) デンマーク自治領のフェロー諸島が2020年4月、主な観光スポットを閉鎖して、外国人旅行客にボランティア活動に参加してもらう「ボランツーリズム」のイベントを企画している。
フェロー諸島はアイスランドとノルウェーの間にあるデンマーク自治領。今年試験的に実施したプロジェクトの成功を受け、2020年も4月16~17日の週末に、ボランツーリズムを実施することにした。
この週末は主な観光スポットやアトラクションが「閉鎖」される一方、ホテルは普段通りに営業し、航空便の運航も継続される。
各島では住民が総出で保全プロジェクトに取り組む予定だが、外国人もメンテナンス作業のボランティアに応募できる。募集するボランティアは100人を予定している。
今年は数千人の応募があったことから、2020年の希望者は申し込みを急いだ方が良さそうだ。
フェロー諸島観光局長は先にCNNの取材に対し、「我々にとって、観光は数字が全てではない」「観光客は歓迎するが、地域社会と美しい環境に対する責任もある。我々の目的は、島を保全・保護して持続可能で責任ある成長を保証することにある」と話していた。
今年のボランティア活動にはメキシコ、イスラエル、オーストラリア、中国、米国などから旅行客が参加した。この活動が予想以上の人気を集めたことから、毎年恒例のイベントにすることにしたという。
フェロー諸島の首都トースハウンは、国連の統計によると人口約1万3000人。観光局によれば、同諸島を訪れる観光客は過去数年で10%増えている。
イベントに関する詳細は公式サイトの「visitfaroeislands.com」で確認できる。