数千人が「飛行機には乗らない」宣言、気候変動に強まる危機感
一方、スウェーデン国内で10の空港を運営するスウェダビアによると、7月に国内便を利用した乗客の数は前年比で12%減った。
12年前から飛行機を利用しなくなったというローゼンさんは、集団での宣言について、気候変動対策に関して多くの人が感じていた無力感に対応する助けになると指摘。「それまでは個人として行動しても意味がないと思っていたが、今回のキャンペーンは、一緒に行動すれば大きな違いを生み出すことができると認識させた」と話す。
タイアーズさんの計算では、中国への列車の旅に伴う二酸化炭素の排出量は、飛行機で往復した場合に比べて約90%少なかった。
「空の旅がどれほどの汚染を引き起こすか、人を飛行機に乗せて地球を横断するために必要なエネルギーと燃料がどれほどの量になるのかを理解するのは難しい」とタイアーズさんは言う。
欧州委員会によると、乗客1人が旅客機で英ロンドンから米ニューヨークを往復した場合に排出される二酸化炭素の量は、欧州連合(EU)の家庭の暖房を通じて年間に排出される二酸化炭素の1人当たりの平均量に匹敵する。
航空会社290社が加盟する業界団体の国際航空運送協会(IATA)は、2050年までに排出量を2005年の半分に減らすという目標を打ち出している。
一方、列車の場合は電気化を推進してクリーンな電力を使うことで、二酸化炭素の排出量をさらに減らすことができる。