COP25閉幕、「パリ協定」ルールの詳細で合意に至らず
(CNN) スペイン・マドリードで開催されていた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は15日、温暖化対策の強化を各国に促すことを盛り込んだ成果文書を採択して閉幕した。ただ2日間の交渉延長にもかかわらず、来年から始まる温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に関する詳細なルールについては合意に至らず、識者や環境活動家からは批判と失望の声が上がっている。
当初12日間の予定で開かれたCOP25だったが、会期を2日延長してもパリ協定をめぐる一部のルールに関しては意見がまとまらなかった。温室効果ガスの主要排出国と、これらの国々に政策変更を求める国際社会の間で大きな認識の隔たりがあることが改めて浮き彫りになった形だ。
専門家や活動家の多くは今回の決着について、大きな失敗に終わったと指摘。成果文書には厳格な削減目標の設定を促す文言が使用されず、パリ協定実施のための重要課題は来年の「COP26」に先送りされることとなった。
世界資源研究所(WRI)で気候と経済問題の担当責任者を務めるヘレン・マウントフォード氏は「各国の交渉内容は期待をはるかに下回るものだった。より野心的な目標の設定に動くどころか、主要排出国の多くは役割を放棄するか、合意を妨げるかのどちらかだった」「今となっては『なせば成る』の精神を体現したパリ協定の採択も遠い思い出のように感じる」と嘆いた。
一方で将来にわずかな期待を抱かせる動きもあった。気候変動の影響を如実に受ける途上国と島しょ国が大半を占める80の国の政府は、内容を強化した気候対策プランをCOP26に提出することを約束。また50を超える国々の財務相が、政策に気候変動対策を盛り込むとしたアクションプランを公表した。