豪シドニーの大気汚染、「危険」レベルの11倍 郊外の山火事で
(CNN) オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州の同国最大都市シドニーで10日、郊外の山火事による大気汚染が悪化し、一部地域では「危険」とされるレベルの11倍にも達した。
ロイター通信によると、州環境衛生当局の責任者はここ1カ月の煙害について「前例のない」規模だと語り、住民の健康被害に懸念を示した。
同責任者によると、多くの住民が目の痛みや鼻、のどの不快感を訴えている。特に持病のある人や幼い子ども、高齢者が危険にさらされているという。
シドニー市内ではオペラハウスやハーバーブリッジなど、観光名所も濃い煙に覆われた。火災報知器の誤作動が相次ぎ、シドニー湾のフェリーは欠航となった。
ソーシャルメディア上の投稿によると、一部の学校では建物に煙が入り込み、子どもたちを早退させた。
山火事による大気汚染の悪化で健康被害への懸念も出ている/Brendon Thorne/Bloomberg via Getty Images
州消防当局によると、山火事は10日も州内83カ所で続き、消防士約2700人が消火活動にあたった。この日は気温が急上昇し、当局は午後5時現在、少なくとも40カ所で延焼が続いていると発表した。
当局は11日も引き続き、市内北部と中部を火気厳禁とする方針を示した。
ただし11日中には突風が収まり始め、寒冷前線の接近により気温が下がって降水確率も上がるため、事態は改善する見込みだという。