野菜に刻む珠玉の芸術、日本の料理人の神業に迫る 

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日本の料理人、岸本岳大氏は野菜に精巧な模様を彫る「むきもの」の作品を制作している/Takehiro Kishimoto/Gaku Carving
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日本の料理人、岸本岳大氏は野菜に精巧な模様を彫る「むきもの」の作品を制作している/Takehiro Kishimoto/Gaku Carving

(CNN) 日本料理で、刃物を使って野菜に精巧な模様を彫りこんでいく「むきもの」と呼ばれる装飾技術。神戸に拠点を置く料理人の岸本岳大(きしもと・たけひろ)氏は、野菜や果物を題材にしたむきものの作品をソーシャルメディアに発表し、ユーザーからの注目を集めている。個々の作品の緻密(ちみつ)な造形と装飾的な美しさにはただ驚嘆するばかりだ。

長くむきものの習得に励んできた岸本氏だったが、その情熱に火が付くきっかけとなったのは、野菜や果物に模様を彫りこむタイの伝統芸術に触れたことだった。

岸本氏はCNNの取材に対し、王室に起源を持つタイ式のむきものを独学で学んだと語る。自身で創作する際にも、使用するのはもっぱらタイ式で使われる細く鋭いナイフだという。

岸本氏は2016年にインスタグラムのページを立ち上げ、自らのむきもの作品を記録するようになった。以来、同氏には28万人以上のフォロワーが付き、様々なメディアにも取り上げられている。

岸本氏によれば同じ種類の野菜や果物であっても、形状や柔らかさは一つ一つ異なる。市場へ通ってはそうした農産物をチェックし、どのような作品に仕上げられるかを思い描いたうえで彫刻に取り掛かるのだという。

最近では、カボチャ1個に手を加えて一続きになった鎖状のネックレスを作る様子を撮影した風変りな動画を投稿。ほかにもナイフの技巧を遺憾なく発揮し、ブロッコリーの茎の部分に繊細な花模様を浮かび上がらせた作品なども公開している。

とはいえ岸本氏が、現在習得している技法だけで満足することはない。最近になって中国式のむきものについても練習を開始したところだ。

むきものへの思いは最初に出会ったころと変わらず、作品を通して人々に感動や驚きを与えたいと語る岸本氏。完成した作品は、毎回自分で食べてしまうそうだ。「たいていは天ぷらにして」

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