宇宙ステーション滞在ツアー、米スペースXが2021年にも実現へ
ニューヨーク(CNN) 米民間宇宙企業スペースXは、新興企業のアクシオム・スペースと提携して、観光客や民間の研究者、米航空宇宙局(NASA)以外の宇宙飛行士などを対象とする国際宇宙ステーション(ISS)滞在ツアーを実施すると発表した。
計画では、スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」に、1回の飛行につき3人の乗客を搭乗させる。宇宙船には訓練を受けた機長が乗務する。
クルードラゴンはISSにドッキングして乗客を降ろし、乗客はISSに8日以上滞在した後、地球に戻る。
早ければ2021年下半期にも、最初の乗客を乗せた宇宙船が打ち上げられる見通し。
アクシオムのマイケル・サフレディーニ最高経営責任者(CEO)は、2005~15年までNASAのISS計画担当マネジャーを務めた経歴の持ち主。
アクシオムは旅行代金に関する情報は公表していない。これまでに実施されたISS観光ツアーでは乗客が数千万ドルを支払っていた。
スペースXは2月にも、スペース・アドベンチャーという会社と手を組んで、乗客を乗せて地球軌道を周回する宇宙旅行を企画すると発表していた。
スペース・アドベンチャーは2001~09年にかけ、超富裕層の旅行客のためのISSツアーを8回組織したことがある。この時はロシアの宇宙船「ソユーズ」を使っていた。
アクシオムのツアーでは、米国の宇宙船が史上初めてISSへの観光ツアーに使われることになるかもしれない。
ただ、計画を実現するためにはクルードラゴンが有人宇宙船として承認され、ISSに宇宙飛行士を送り届けるという本来の目的が果たせることを実証する必要がある。