中国航空各社、コロナ後の集客に躍起 極度の値下げで需要回復図る
(CNN) 中国航空各社が、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ業績を回復させようと、軒並み大胆な値引き戦略を講じている。全国的な封鎖措置が緩和された後の最初の休日を控え、旅行客を呼び戻したい考えだ。
中国民用航空局によると、同国の航空業界は今年の1~3月期で398億人民元(約6050億円)の損失を計上した。また中国に拠点を置き、航空データに関するサービスを提供するバリフライトは、中国本土での航空便の運航について、1月末から2月にかけて80%以上落ち込んだと分析する。
ただ中国政府が国内の工場の再開といった封鎖措置の緩和に動いたことを受け、国内線の運航は徐々にその数を増やしつつある。2月半ばに回復傾向が見られてから今週の時点で、運行本数は感染拡大前のほぼ半分にまで持ち直した。地域航空会社の間では一段の需要回復を見越し、夏や秋に向けて国内の新規路線の運航を計画する動きもみられる。
さしあたり各社が狙うのは、来月初めの労働節の連休に合わせた旅客の取り込みだ。国内線の需要を喚起しようと、複数の航空会社が極端なチケットの割引を実施。野菜並みの値段まで引き下げる会社も現れるなど、メディアでも話題を集めている。
例えば中国南方航空の新疆支社は多くの路線のチケット代を、本来の価格のわずか10%から20%まで落として販売している。また国営の金融ニュースサイトによると、深圳航空は3月初め、深圳から成都へ向かう便を5人民元で売り出していた。
このほか中国西部航空やウルムチ航空は、チケットを1枚買えばもう1枚が無料になるサービスを提供。長安航空の売り出した4800人民元の家族パッケージは、3~5人の家族が購入すれば1年間で12回搭乗できる内容となっている。
感染リスクを恐れる旅客の心理を和らげるため、特別な販売方式を採用した会社もある。華夏航空は2月以降、エコノミークラスの座席6席を1席分の価格で買えるプランを提供している。これを利用すれば、飛行中に他の乗客と一定の距離を保つことが可能になる。
同様に厦門航空、中国東方航空、中国西部航空も、1人分以上の座席を割引価格で売り出している。