「台湾の非武装地帯」金門県、かつての軍事拠点は今や人気の観光スポットに
パンデミックの影響で、金門島の旅行市場も休止に追い込まれた。
台湾のタロイモ料理で有名な民宿兼レストラン、黃厝三層樓のオーナー、レオ・ホンさんによると、「最初の数カ月間、金門島の観光産業は大打撃を被った。大半の人はあえて飛行機に乗ろうとはしなかったので、島の観光業はまる半年間休業状態だった」という。
しかし、台湾はコロナウイルスの早期封じ込めに成功し、地元の観光が再開されたため、金門島の観光産業もコロナウイルスの発生からわずか数カ月で急回復した。
金門島への旅行者数は20年7月までに18万4714人に増加し、さらに8月の訪問者数は前年同月を上回った。
「コロナ危機で難題に直面したが、一方で島の観光産業のポジショニングを見直すいい機会にもなった」とティン氏は言う。
金門県の今後の課題
新型コロナウイルスの影響から学んだ金門島の観光業界の人々は、台湾当局に対し、提供する製品やサービスの幅を広げ、標的とする観光客の多様化を図るべきだと主張する。
黃厝三層樓のオーナーのホンさんも「パンデミックは今後1、2年間、世界に影響を与え続ける可能性があるため、政府はより趣向を凝らした、金門島ならではの観光サービスを開発すべきだ」と述べ、さらに「金門島は島であるにもかかわらず、隣の澎湖(ポンフー)県に比べ、海関連の旅行製品は最低限しかない」と付け加えた。
金門県観光局の広報担当者もホンさんと同意見で、今後、海上の旅など、テーマのある実験的な旅行製品の強化に注力するとしている。
また金門県観光局のティン局長も、若者向けの旅行ブランドを作り、島の観光業を活性化するために、芸術、音楽、戦場を結び付けたサマー・ミュージック・フェスティバルの開催を予定していることを明らかにした。