世界最大の旅客機エアバスA380、そのリサイクル方法とは?

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ターマック・エアロセーブは機体の約90%をリサイクル用に回収することを目指している/Tarmac Aerosave

ターマック・エアロセーブは機体の約90%をリサイクル用に回収することを目指している/Tarmac Aerosave

超大型機のリサイクル

A380のような超大型機はどのようにリサイクルされるのか。また、取り外した部品や器材はどうなるのか。ターマックのセールスディレクター、リオネル・ロケス氏は「リサイクルは家庭で行うように、航空機のさまざまな部品を再利用し、寿命を延ばすことから始まる。よって最初のステップは、他の航空機で再利用できる部品を取り出すことだ」と説明する。

これらの部品には、エンジン、着陸装置、一部のアビオニクス(通信やナビゲーションなどのタスクを処理する航空電子機器)などが含まれる。これらは徹底したトレーサビリティー(履歴管理)の下で検査と再販が行われ、耐空性が保証される。A380の場合、再販された部品は現役で運航中のA380のスペア部品となるほか、訓練用としても使用される。「学校や訓練施設に提供することで、新人整備士や学生たちが本物の部品を使って訓練できる」とロケス氏は述べている。

このプロセスは通常2~3週間かかる。これが終わると、次は廃棄物処理のステップに移る。「アルミニウム、チタン、銅など、さまざまな素材を分別し、適切な再生業者に渡して、新しいものに再利用してもらう」と同氏。

超大型のA380はアルミニウムだけで120トンもあるため、この作業は何カ月もかかるうえ、困難を極めるという。ロケス氏はこう説明する。「これだけ大きな航空機なので、大きな設備が必要なうえに、工具や作業方法も大きな機体に合わせなければならない。また、安全面や作業環境にも気を配る必要がある。整備士が航空機の2階デッキで作業する場合、その高さは非常に高くなる」

ターマックは、「最後のネジに至るまで」リサイクルに取り組むとしている。この分野では特に規制はないものの、同社は重量で90%以上の機体をリサイクルすることを目指している。「残りの廃棄物はできる限り少なくする。もちろん、複合材料やリサイクルできない危険物も残るが、廃棄物となったり、埋め立てられたりする素材の割合は1〜3%だ」とロケス氏は付け加えた。

作業にかかる費用は「6桁」に上るという。その費用は、航空機から取り外す部品の数により大きく左右され、クライアントの要求に応じて変化する。

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