水中写真家コンテスト、カワイルカの写真が大賞に カメラにポーズ?
(CNN) 沈む太陽を背にカワイルカが鼻先を水面上に突き出し、まるで夕暮れの中でポーズを取っているように見える――。アマゾンに生息するカワイルカ「ボト」を捉えたそんな1枚が、2023年水中写真家コンテストの大賞に輝いた。
大賞の作品は米国の写真家キャット・ゾウ氏がアマゾンで撮影したもの。今週発表された報道声明によると、アマゾンの先住民の間では、夜になるとカワイルカが「ボト・エンカンタド」と呼ばれる美男に変身するとの言い伝えがあるという。
この写真は72カ国から寄せられた6000点以上の作品を破って大賞に輝いており、審査員からは、これまでに見たカワイルカの写真の中で最高傑作と称賛する声が上がった。
ゾウ氏は声明で「(カワイルカの)変身は目撃しなかったものの、別の意味でこの美しい哺乳類に魅了された」と振り返った。
「ボトが鼻先を水面上に突き出す様子を目にしたことがあり、夕暮れ時に(水中と水面上を同時に撮影する)スプリットショットを撮りたいと思っていた。水中はとても暗く、やみくもにシャッターを切ったが、このイルカは完璧なポーズと笑顔を見せてくれた」(ゾウ氏)
海洋保護部門の受賞作には、綱やブイが尾に絡まった状態でカメラから遠ざかり、ゆっくり死にゆくザトウクジラを捉えた1枚が選ばれた。
写真家のアルバロ・エレーラ氏は「私が海で経験した最も悲しい瞬間だった」と撮影時を振り返った。ただ、少なくともこの瞬間を写真に捉え、世界の人と共有できたことは嬉しいと語り、真の変化を促すきっかけになればと語っている。
このほかの個別部門受賞作としては、海底を滑るように進むアカエイや、魚の群れを捕食するジンベエザメ、好奇心旺盛なゾウなどを捉えた写真がある。