観光名所のトイレ、タイマー設置に賛否 中国山西省
(CNN) 中国山西省にある1500年前の仏教寺院、雲岡石窟はユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産に登録されている観光名所だが、最近はその景観よりも、観光客向けのトイレが注目を集めている。
中国のニュースサイトやSNSの映像には、女性用トイレで各個室の上に取り付けられたデジタル表示のタイマーが映っている。
トイレが使われていない時は、緑色で空室の文字が点灯する。使用中は、ロックされてから何分何秒経過したかが表示される。
観光客の1人が最初に撮影し、地元新聞社に映像を送ったとされる。送り主は「トイレに並んだり、ドアをノックしたりしなくていいようになる高度な技術だとは思うが、少し恥ずかしい気もした。監視されているように感じだ」と語ったそうだ。
現地の職員は同紙に、タイマーは観光客が増えていることへの対応策の一環で、トイレの使用時間を管理するのが目的ではないと説明。「用を足している途中で追い出すのは不可能だし、5分や10分の時間制限を設けているわけではない」と述べた。
別の地元紙は職員の話として、タイマーは先月1日から、主に安全対策として稼働していると伝えた。だれかがトイレに長時間入ったままで、緊急事態が起きた場合に備えるためだという。
SNSには、「トイレに座り込んで携帯電話の画面に熱中する行為を防ぐ効果がある」と評価するコメントの一方で、「観光地はオフィスとは違う。トイレに長居したい人がいるだろうか」「トイレの数を増やすことにお金をかけてはどうか」と、批判的な声も書き込まれた。
雲岡石窟には昨年、過去最多の300万人が訪れ、それまで最多記録だった2019年の198万人を大幅に上回った。
雲岡石窟には5万1000体の像が彫り込まれている/Emeric Fohlen/NurPhoto/Getty Images