米国人は頭が大きくなった? 頭蓋骨の調査で判明
(CNN) 現代の米国人は祖先の時代に比べて頭が大きくなっているという研究結果を、米テネシー大学法医人類学センターの研究チームがまとめた。
研究チームは1800年代から1900年代にかけての白人の頭蓋骨(ずがいこつ)約1500人分を調べた。その結果、過去150年ほどの間に頭蓋骨の幅は5~7ミリ縮む一方、高さは平均で10ミリほど長くなっていることが判明。全体的な頭のサイズを平均すると、テニスボール1個分ほど大きくなっていることが分かったという。
黒人とヒスパニック系は頭蓋骨の数が不十分だったため今回の調査対象から外したが、同じ傾向はほかの人種にも当てはまる可能性があるとしている。
研究を行ったテネシー大学のリチャード・ジャンツ氏は変化をもたらした要因として、米国人の栄養摂取量が増えて栄養不良よりも肥満の方が大きな問題になったことや、仕事で動く量が減ったこと、手作業を機械が肩代わりするようになったことなど環境の変化を挙げる。
さらに、車が普及して歩くことが減り、医学の進歩によって感染症で死亡する子どもや出産時に死亡する母子も減少。欧州の出身者同士で結婚していた祖先とは異なり、異人種間の結婚も増えている。
ジャンツ氏はこういったことが影響を及ぼした可能性もあるとの見方を示す。
頭蓋骨の大きさに比例して脳も大きくなった可能性があるが、こちらはまだ未確認。研究チームは今後、脳の部位による大きさの変化があるかどうかを調べ、時代の変化が特定の能力の向上をもたらした可能性について検討する。