ライス米国連大使、次期国務長官への指名を辞退
(CNN) オバマ米政権2期目の米国務長官候補として最有力視されていたライス国連大使は13日、指名を辞退する意向を明らかにした。9月にリビアで米大使が殺害された事件を巡る発言で、ライス氏は共和党から強い批判を浴びていた。
オバマ大統領へ宛てた書簡でライス国連大使は、「(上院における)承認手続きが、国内外の緊急課題がある中、大統領にとって長く、負担の大きいものになるだろう。(共和党との政治的)取引はわが国の利益にならない」と述べた。
オバマ大統領は声明の中でライス氏の指名辞退を認め、同氏のことを「並外れて有能で愛国心に富み、情熱にあふれた公僕」だと述べた。関係者によれば、大統領は14日にホワイトハウスでライス氏と会談するという。
今年9月にリビアのベンガジで起きた米総領事館襲撃事件を巡り、ライス氏は当初、テロではなくイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱した米国映画に対する抗議運動によるものだとの見方を示したことから共和党の厳しい批判を浴びていた。
ライス氏はこの問題についてワシントン・ポスト紙で「アメリカ国民を惑わせるつもりはなかった」と釈明。共和党の批判は言いがかりだと主張した。
ライス氏の辞退により、次の最有力候補と見られているのが民主党のジョン・ケリー上院議員だ。共和党の受けもいいことから上院での承認は比較的スムーズに進むと見られるが、オバマ大統領からの信頼はライス氏には及ばないとの見方もある。