キング牧師の記念碑に刻まれた一文、批判受け削除へ 米
ワシントン(CNN) 米ワシントン中心部のナショナル・モールに設置された公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師の記念碑に、牧師の名言のひとつとして刻まれた一文について、削除される計画が明らかになった。連邦当局者らが11日、公表した。
昨年完成した記念碑は高さ約9メートルで、腕を組んで立つキング牧師の姿が岩から浮き出ているデザイン。問題の文は岩の側面に刻まれた。
そこには「私は公正さと平和と正義の楽隊長だった」と書かれている。キング牧師が1968年にアトランタの教会で行った説教からの引用だが、実際に牧師が口にしたのは「もしも私を楽隊長と呼ぶのなら、公正さの楽隊長だったと言ってほしい。平和の楽隊長だったと言ってほしい。正義の楽隊長だったと言ってほしい。他のささいなことはどうでもよい」という言葉だった。
記念碑の文を巡り、作家のマヤ・アンジェロウ氏らが、「もしも」の部分が省略されたために高慢な印象を与えると批判していた。これを受けて文言を修正する案が浮上したが、制作者の中国人彫刻家、レイ・イキン氏が「作品全体の構成を守るため」として削除することを主張。サラザール内務長官は11日、関係者らの賛成を得て削除する計画が決まったと述べた。
計画は来年1月、関係委員会に審査のために提出される予定。
工事はキング牧師の誕生日を記念する1月の祝日が済んだ後、2~3月に予定されている。期間中も記念碑は公開されるが、一部に覆いをかけることもあるという。