過大な音量のテレビCMを禁止に、騒音対策で 米FCC
ワシントン(CNN) 通信業界を統括する米連邦通信委員会(FCC)は16日までに、放送と有料テレビ事業者に対しコマーシャルを過大な音量で流すことを禁じる決定を下した。発効は13日からで、音の大きさはそのコマーシャルが流れる番組と同一水準にすべきとも命じた。
FCCはテレビ局などによる音量規制の履行を独自に監視しないが、視聴者の苦情内容で順守状況を見極めるとしている。FCCは、コマーシャルの音量はテレビの歴史と同様に古い問題であり、今回の規制は視聴者の共感を得ると共に「離婚」の原因を防ぐことにもなると判断している。
騒々しい広告への不満は、FCCが2002年に発表を開始した視聴者への苦情受け付けで最大の件数となっている。08年1月以降の苦情は約1000件、問い合わせは約5000件となっている。
連邦議会もコマーシャルの音量を減少させる法案を党派を超えて承認。FCCは昨年、放送事業者らによる音量規制の開始日時を今月13日と指定していた。
FCCは従来、音量の大小の受け止め方は主観的判断にかかわる問題のためコマーシャルの音量の規制作成は難しいとの立場を示していた。その上で視聴者に対しテレビの音を消すかボリュームを下げることを提唱していた。
ただ、商業放送以外のテレビ局は今回の音量規制から除外されたが、政治広告は対象となっている。
また、財政難にあるジョージア州南部で自治体が運営するケーブル放送と施設の移転を申請したメーン州の放送局は音量規制から一時的に除外された。