失言・失態・討論会――名場面とともに振り返る米大統領選
6月15日:不法移民の若者に対する国外退去方針を撤回
オバマ政権は、幼少期に米国に入国した不法移民の若者のうち、一定の条件を満たした者については国外追放を求めない方針を明らかにした。ヒスパニック(中南米系)の票を取り込もうとする動きだとして批判する声も上がったが、支持者からは、同様の措置を実現しようとして議会で否決されていた「DREAM法」の要諦を実現するための動きだとして歓迎された。
6月18日:オバマケアに対する合憲判決
米最高裁は、オバマ政権の重要な実績の一つである医療保険制度改革(通称オバマケア)に対して合憲との判断を下した。オバマ陣営が大きな勝利と見なしたのに対し、ロムニー陣営はオバマケアの撤廃に向けて取り組むことを表明した。
7月:ロムニー氏が外遊
自身の発言に注意するといったにもかかわらず、ロムニー氏は外遊先で失言を繰り返した。ロンドンでは夏季五輪を主催する能力に対して疑問を呈したほか、イスラエルの文化がその経済的な成功に重要な役割を果たしたとの見方を示してパレスチナの人々の怒りを買った。
7月13日:「あなたがそれを生み出したのではない」
オバマ大統領がバージニア州ロアノークで聴衆に向かって、「もし、あなたが仕事を得られたとしたら、それは、あなたがそれを生み出したのではない、ほかの誰かがそうしたのだ」と発言した。このコメントに対しては、保守層や共和党寄りの事業主から非難の声が上がった。共和党支持者は後に、このコメントから「私たちがそれを生み出した」という新しいキャッチコピーを作り出し、Tシャツやステッカーなどに流用した。