失言・失態・討論会――名場面とともに振り返る米大統領選
10月16日:「女性で一杯のバインダー」
2回目の討論会で、ロムニー氏は、マサチューセッツ州知事時代に閣僚の多様性を高めようとしたときの説明として「女性で一杯のバインダー」という言葉を使ったが、これは多くの批判を浴びたほか、インターネットでも皮肉られた。一方、オバマ大統領は、はるかにはつらつとしたパフォーマンスを見せた。
10月22日:「銃剣と軍馬」
3回目の討論会で、積極的なオバマ大統領は、米軍が「銃剣と軍馬」の利用を減らしていることを説明することでロムニー氏に反撃し、舌鋒の鋭さを再び証明した。この指摘は、ロムニー氏が米軍の戦略について知識が浅い人物であることを示そうとする狙いがあった。
10月25日:期日前投票
オバマ大統領は現職の大統領としては初めて期日前投票を行った。地元シカゴでの投票は期日前投票を行う支持者を獲得しようとする戦略を反映したものだった。
10月29日:大型温帯低気圧「サンディ」
サンディは東海岸を襲い、100人を超える死者と数百万世帯の停電、家や財産を失った何千人もの被災者を生み出した。サンディが去った後、両候補は選挙戦を中断し、続く数日間は災害を政治化しないよう慎重な足取りとなった。クリスティ・ニュージャージー州知事(共和)がオバマ政権の災害後の取り組みを賞賛し、ロムニー陣営の選挙戦はより難しいものとなった。
11月6日:投票日
数十億ドルの資金と何千もの広告と何年もの選挙戦をへて、米国はついに決断する機会を得た。
そして、オバマ大統領が再選を果たした。