全学校の校長か職員1人の武装化提唱、米小学校の銃乱射事件
(CNN) 米東部コネティカット州で12月中旬起きた小学校の銃乱射事件を受けた銃規制問題で、西部アリゾナ州の検察長官は27日までに、州内の全学校を対象に校長もしくは職員1人を武装化させることを提案した。
トム・ホーン長官は報道機関向け声明で、各学校に武装警官1名を配備するのが理想的だが、財政的な制約があると指摘。学校の当事者1人に銃器操作や緊急事態への対応の訓練を施し、非常時に使う武器を安全な場所に保管させるのが次善の策だと主張した。
この対応策は、米連邦航空局(FAA)が2001年9月11日の米同時多発テロ後に打ち出した民間航空会社パイロットの武装化に見合ったものだとしている。
校長もしくは職員1人の武装化計画についてはアリゾナ州の複数の保安官も支持を表明したとも述べた。ただ、銃などを持たせる学校職員はあくまで1人としている。
同州下院の共和党指導者が近くこの計画を実現させる法案を出す予定。
コネティカット州ニュータウンのサンディーフック小学校で今月14日発生した銃乱射事件は児童ら計26人が殺害される惨劇となった。遺体となって発見された当時20歳の男性容疑者は半自動ライフル銃、短銃2丁らで武装していた。
事件後、銃規制を求める論議が政界を含めて再燃し、オバマ大統領はバイデン副大統領に対応策を作成するよう指示していた。一方、銃保有の権利を擁護し政党への強い影響力も持つロビー団体、全米ライフル協会(NRA)は国内の全学校に武装した警備要員を配置する計画を提唱したが、銃規制にはあくまで反対する立場を示していた。