銃の使い方教える講習会に教員200人が参加 ユタ州
ワシントン(CNN) 米ユタ州のソルトレークシティー近郊で27日、市民に銃の扱い方を教える講習会が開かれ、教員約200人が参加した。米国ではコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて銃所持をめぐる論議が高まっているが、ユタ州では以前から、教職員が学校で銃を隠し持つことを認めている。
講習会はユタ州スポーツ射撃協会が実施。発表直後から大きな反響があったという。教員の参加は無料で、銃器の安全な使い方や関連法に関する講義のほか、学校内で乱射事件が起きた場合の対応を学ぶ時間も設けた。
同協会のクラーク・アポシアン会長は、銃の免許を持っている学校教職員にも、職場で銃を隠し持つ権利を保障すべきとの考えだ。入口を施錠したり机の下に隠れたりする方法では「もはや対処できなくなった」と話し、「校内で合法的に自分の身を守る能力を奪ってはならない」と強調した。
講習会の狙いについては、銃を持った人物が教室に侵入し、警察の到着が間に合わなかったなどの場合、教員が取るべき選択肢を増やすことにあると説明、「1.5~3メートルほどの距離から犯人に銃口を向け、引き金を引く。これで子どもたちの盾となって銃弾を浴びる行動に出なくて済む」と話している。
アポシアン氏によると、ユタ州では12年前から教職員が実弾を込めた銃を教室に持ち込むことを州法で認めている。実際に銃を持ち込んでいる教員はごく少数だが、同法の施行以来、州内の学校で教員の銃携帯に絡む事件や発砲事件は起きていないという。
全米ライフル協会(NRA)は、コネティカット州の事件を受けて学校に武装警備員を配備する計画を提案。これに対して与党民主党の議員や教員団体の批判が相次ぎ、米2大教職員組合は「学校に銃のための場所はない」とする共同声明を発表している。