「脇見操縦」防げ、パイロットの電子機器利用を全面禁止へ 米
(CNN) 米連邦航空局(FAA)は16日までに、航空機のパイロットによる「脇見操縦」を防ぐため、運航業務とは無関係な私物の電子機器の使用を禁じる規定を提案した。現行の規定では離着陸時などに限って私物端末の使用を禁じているが、新規定では飛行中の私物端末の利用を全面的に禁止する。
米国では2009年、ミネソタ州ミネアポリスの空港に着陸するはずだった米ノースウェスト航空の旅客機が、240キロほど行き過ぎるインシデントが発生。同機の操縦士は、私物のコンピューターで勤務表をチェックしていて脇見操縦になったと話しており、この事故をきっかけに議会が動いた。
同年には米コルガン航空の旅客機が民家に墜落した事故で、操縦士が離陸の直前に私物の携帯電話からメールを送信していたことが分かっている。
墜落事故はメール送信とは無関係だったが、当局は今回の提言の中で、操縦士の携帯端末使用による脇見が惨事につながりかねないことを物語る事例として、この事故を挙げた。
新規定が導入されれば、操縦士は安全上の必要性がない限り、飛行中にノートPCやタブレット端末などの私物電子機器を使用できなくなる。