オバマ米大統領が銃規制強化案を発表 共和党は反発
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は16日、昨年12月にコネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を受け、すべての銃販売に身元チェックを義務づけるとともに、軍隊で使うような襲撃用銃器や大量の弾丸を装填(そうてん)できる弾倉の販売を禁止する銃規制強化案を発表した。
小学校乱射事件の遺族が見守る中、オバマ大統領は既存の銃規制法を強化することなどを定めた23の大統領令に署名した。大統領令は議会の承認を必要としない。
オバマ大統領は、米議会に対し、2004年に失効した殺傷力の高い半自動ライフルなどの「アサルト・ウエポン(突撃銃)」の販売禁止法を復活させるよう呼びかけた。
大統領はまた、11発以上の銃弾を装填できる弾倉の販売を規制し、犯罪歴などの身元調査の対象を銃の購入希望者全員に拡大することも求めた。
だが銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)の影響力は大きく、大統領案の一部については法制化は難しいのが現状だ。
それでもオバマ大統領は、銃犯罪を減らすためにあらゆる努力をしなければならないと指摘。「子どもたちの安全を維持する、これは私たちの社会としての第1の責務だ」と語った。
これに対し共和党は、武器を所持する権利を認めた合衆国憲法修正第2条に抵触すると反発。共和党のマルコ・ルビオ上院議員は「大統領の提案のうち、乱射事件を防止できたで可能性のあるものは1つもない」と声明で述べるとともに「こうした暴力の陰にある真の原因に真剣に対処していない」と批判した。
CNNとタイム誌、ORCインターナショナルが16日に行った世論調査では、米国人の55%が銃規制法の強化を支持。56%が銃の購入が簡単すぎると答えた。だが銃規制を強化するだけで銃犯罪が減ると答えた人の割合は39%にとどまった。