息子殺しの罪に問われた母、22年ぶりに死刑判決覆る 米
刑事はまた、ミルケ死刑囚が事件への関与を自白したと主張したが、ミルケ死刑囚は否定。実際、死刑囚と事件を結びつけたのはこの刑事の証言だけで、目撃者や他の直接証拠もなかったという。取り調べの録音は残っておらず、同席した人もいなかった。
その後、この刑事はうその証言をするなど問題行動が多い人物だったと判明。州当局は当時そうした情報を持っていたにもかかわらず開示せず、当時の陪審や判事は刑事の証言を信じてしまったという。
裁判所は、州には刑事の人事記録を開示する義務があったと認定。「州が憲法上の義務を果たさなかったことに疑いの余地はない」「憲法が要求している公正な裁判が本件では行われなかった」と断じた。
裁判所は州に対して、担当刑事の人事記録を被告弁護士に提出するよう命令。検察が30日以内に再起訴する方針を示さない限り、裁判所はミルケ死刑囚の釈放を命じることになる。