息子殺しの罪に問われた母、22年ぶりに死刑判決覆る 米
(CNN) 米アリゾナ州で4歳の男の子が射殺され、母親が死刑判決を受けていた事件で、米連邦控訴裁判所は14日、死刑判決を覆す判断を下した。判決から約22年が経過していた。
裁判所は判決の基礎となった供述調書を巡り、取り調べを担当した刑事が過去にうその証言をするなど問題行動があったにもかかわらず、州当局がその情報を公判で開示しなかった点を問題視。裁判は不公正であり「違憲だ」と示した。
デブラ・ミルケ死刑囚は1990年10月、息子のクリストファー君の殺人と児童虐待、誘拐に関与したとして有罪の評決を受け、死刑を言い渡されていた。
裁判所によると、クリストファー君はその約1年前、ショッピングモールに行きたいとせがみ、ミルケ死刑囚の同居人だった男の車に乗車。男はショッピングモールには向かわず、友人を同乗させて町を離れ、人目につかない渓谷でクリストファー君を射殺したという。
ミルケ死刑囚の裁判で有罪の決め手となったのは、捜査を担当した刑事の証言だった。刑事は車に同乗した友人がミルケ死刑囚も殺人計画に関わったと供述したと主張。だがこの友人も同居人の男も、法廷ではそんな証言はしなかった。