パイロット装いコクピットに侵入、男逮捕
(CNN) 飛行機のビジネスクラスに乗れずに腹を立てたフランス人の男がパイロット装いコクピットに侵入し、逮捕された。
事件はUSエアウェイズ機内で起きた。フィリップ・ジャナード容疑者(61)は、ビジネスクラスが満席と告げられるたことに腹を立て、乗務員を装って飛行機のコクピットに乗り込んだ。
パイロットを装った天才詐欺師の実話を基にした映画「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」を思わせる大胆な行動だった。しかし、映画のようにうまくは行かず、すぐに逮捕されてしまった。
ジェナード容疑者は20日夕方、エールフランスのロゴの入った白いシャツにパイロットが着るような黒のジャケットを着て飛行機に乗り込んだ。容疑者は、偽造したエールフランスの乗務員バッジや身分証明書も所持していたという。
客室乗務員が機長の座席の後ろの補助席に座っている見知らぬ男を発見し、何者か尋ねたところ、男はエールフランスのパイロットを名乗ったという。しかしシートベルトの装着の仕方も分からず、男がパイロットでないことは明らかだった。
男は乗務員に付き添われて飛行機を降りたが、警備員が警察に通報。男はフィラデルフィア警察に逮捕された。
警察によると、ジェナード容疑者はフランス西部ラ・ロシェル出身で、ワイン製造者だったがすでに引退しているという。同容疑者は飛行機を乗り継いでフロリダ州ウェストパームビーチに向かう途中だった。乗客が搭乗している最中にコクピットに侵入したとみている。通常、乗客の搭乗中はコクピットのドアは開いているという。
現在、警察が詳しい動機を調査中だが、今のところテロとのつながりは見つかっていないという。