砂丘に飲み込まれた少年、3時間半後に救出 米
(CNN) 米ミシガン湖沿岸にあるインディアナ砂丘国立湖岸で、6歳の少年が砂丘の穴に飲み込まれて生き埋め状態となり、約3時間半後に救出された。少年は意識不明のまま病院へ運ばれたが、医師らによると回復の兆しをみせている。医療当局者が15日、明らかにした。
ネイサン・ウォスナー君はシカゴ大学付属の小児病院で集中治療室に収容された。現在の呼吸機能は肺炎患者と同程度で、人工呼吸器を装着している。酸欠による脳の損傷や目の外傷はみられず、肺から砂を取り除くための治療を受けている。
医師らによれば今週中には呼吸器が外れる見込み。10日から2週間ほどで退院し、自宅でリハビリを続けることになるという。
ネイサン君は12日、両親や祖父、友人一家とともに砂丘を訪れていた。両家の父親が一番高い丘に登ろうとして、ネイサン君と友人がそれに続いた。ネイサン君はここで陥没穴(シンクホール)に落ちたとみられ、父親らが助けようとしたが、砂を掘れば掘るほど深く沈んでいった。
緊急通報で駆けつけた救急隊員ら数十人がシャベルや重機で救出を試みた。3時間半後に見つかった時は体が冷たくなっていたものの、心臓は動いていた。砂の下に1カ所だけ空間があり、それで命を救われとみられる。
ネイサン君は砂の中に垂直の姿勢で埋まっていた。必死の作業の末、ネイサン君の頭をつかんだ消防士は「まるで自分の息子に話しかけるように、思わず声をかけていた」と語る。
穴ができた原因は不明。20年近く前からここで自然保護官を勤める男性は「当地でも他の砂丘公園でも、このような話は聞いたことがない」と話している。