監房で5日間放置された学生、4億円で当局と和解 米
サンディエゴ(CNN) 米麻薬取締局(DEA)に拘束されて監房に入れられたまま5日間放置されたと訴えていた男性が410万ドル(約4億円)でDEAとの和解に応じた。弁護士が1日までに明らかにした。
弁護士によると、カリフォルニア大学サンディエゴ校の学生ダニエル・チョンさん(25)は、2012年4月21、DEAがサンディエゴで民家の家宅捜索を行った際に拘束され、手錠をかけられたまま窓のない監房に入れられた。
監房にはトイレさえなく、扉を蹴ったり叫んだりしたが気づいてもらえなかったため、チョンさんは生き延びるために自分の尿を飲み、メガネのレンズの破片で自分の腕に母親宛ての遺言まで刻んでいた。
4月25日になってようやく捜査員が監房の扉を開け、重度の脱水症状に陥っているチョンさんを発見した。体重は約7キロ減り、その後も重い心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんだという。
チョンさんは麻薬捜査に関連して正式に逮捕されたり訴追されたりしたわけではなく、友人の家を訪ねただけで、麻薬のことなどは何も知らなかったと話している。
DEAはこの問題が発覚した後に謝罪の談話を発表。全米の捜査員に対し、拘束した容疑者らの健康状態を毎日チェックすることを義務付けるなどの再発防止策を講じた。
チョンさんは大学に戻って勉強を続けているという。