ウィキリークスに情報提供、米兵がスパイ防止法違反で有罪
メリーランド州フォートミード(CNN) 米軍法会議は30日、告発サイトの「ウィキリークス」に機密情報を提供した米陸軍兵ブラッドリー・マニング被告に対し、スパイ防止法違反について有罪判決を言い渡した。一方、最も罪の重い敵幇助(ほうじょ)罪については無罪とした。
検察側は、マニング被告には自分が暴露した大量の機密情報がいずれ国際テロ組織アルカイダに渡るという認識があったと主張していたが、判決ではこの主張を退けた。また、国防関連情報の不法所持罪についても無罪とした。
もし敵幇助罪で有罪になっていれば、仮出所なしの終身刑を言い渡される可能性があった。
一方で、残る20件の罪状についてはほとんどが有罪となった。31日から始まる量刑言い渡しでは、最高で136年の禁錮を言い渡される可能性がある。
判決によると、マニング被告は米南方軍の記録700件あまりを盗み出したほか、アフガニスタン関連の記録、国務省の公電、陸軍の機密情報などを盗んだり不法に所持したりしていたとされる。
この事件では、イラクやアフガニスタンの戦争に関する米軍の情報や、国務省の外交公電などが大量にウィキリークスに暴露された。
この日の判決について同サイトは、「真の情報を公に伝えることが『スパイ』とされることがあってはならない」と非難した。ただしウィキリークスは、サイトに掲載した情報がマニング被告から提供されたものかどうかについては明らかにしていない。
一方、マニング被告は先に行われた罪状認否で一部の罪を認め、自分が暴露した情報は公開されても米国に損害を与えることはないと思ったと主張。自分が駐留していたイラクの状況に絶望感を抱いたと述べ、「こうした情報が公になれば、戦争について公に論議されるきっかけになると考えた」と語っていた。