野良犬が数万匹、捕獲の7割安楽死 財政破綻のデトロイト
4年前には15人いた野良犬捕獲担当の職員は、現在では4人に減り、必要な人員には到底届かない。本部前にあった金属製の「動物管理局」の表札は、鉄くずとして転売する目的で盗まれたままだ。
米郵政公社の2012年の統計では、郵便配達員が犬に襲われる件数はデトロイトが全米で6番目に多い。犬を追い払うためのスプレーを持ち歩いているという配達員のドナルド・モンゴメリさんは、「野良犬たちは空き家や捨てられた車に住み着いている」「配達は慎重に、時間をかけて行っている」と話す。
保護施設に連れて来られる野良犬は、ほとんどがやせ細り、ブルブル震えて尻尾をたくしこんでいる。餌を与えられるとガツガツと食べ、何週間も食べていない様子をうかがわせる。
問題の根本原因を突き止めようと別の団体を創設したトム・マクフィーさんは、デトロイト市内の野良犬の数を調査中。最近報告された5万匹という数は水増しされているとしながらも、問題は深刻だと指摘した。
これは「地域社会の健康バランス」の問題だとマクフィーさんは言い、市内に大量にある空き家が野良犬の住みかとなって問題を悪化させていると説明。「ペットを捨てる人には飼うことに対する責任感が全くない。犬の保護者としての責任を飼い主に理解させる必要がある」と憤る。