20万円でホームレス体験、ツアーが物議 米シアトル
宿泊するのはホームレス向けの施設と同じ建物にある1泊15ドルの宿泊所で、ホームレスより1ランクだけ上の状況を体験する。なお、施設は男女別になっているため、女性の参加は受け付けていない。
ツアーには公営図書館などホームレスがよく集まる場所の訪問、ほかのホームレスとの交流、物乞い、ベンチでの昼寝、午前3時に街を歩き回る体験などが含まれる。
当然ながら、このベンチャー事業に対する批判の声も相次いでいる。ツアーを紹介したニュースサイトの記事には、「ホームレスの人たちは観光客の見世物ではない。彼らはただでさえ問題を抱えているのに、金儲けに利用するとは」「(ツアー料金の2000ドルがあれば)ホームレスの一家を2カ月間助けるか、施設の入居者全員にひと晩の食事を提供できるのに」といったコメントが寄せられた。
一方、首都ワシントンで同じようなツアーを提供している非営利団体もある。このツアーは現役または元ホームレスがガイドを務め、料金は任意で地元の施設に50ドルを寄付するよう求めている。
主催団体のマイケル・ストゥープさんは同ツアーについて、「参加者に体験してもらい、ホームレスの人たちと交流してもらうのが目的」「倫理的かつ安全に行い、ホームレスの人たちがかかわる限り、路上生活を体験してもらうメリットはある」と話している。