「警察が浣腸や直腸検査を強要」、1.7億円で和解 米
(CNN) 麻薬所持の疑いで警察に取り調べられ、浣腸(かんちょう)や腸の内視鏡検査を強要されたと訴えていた米ニューメキシコ州の男性が、160万ドル(約1億6700万円)を受け取って和解することで合意した。男性の弁護士が16日に明らかにした。
原告のデービッド・エッカートさん(54)は、同州ヒダルゴ郡と警察を相手取って昨年、訴訟を起こしていた。
裁判記録などによると、エッカートさんは2013年1月、ピックアップトラックを運転中に一時停止を怠ったとして警察に止められ、挙動に不審があるとして車内を捜索された。
捜索では麻薬は見つからなかったが、過去にエッカートさんを取り調べたことのある警察官が、エッカートさんは肛門の中に麻薬を隠しているのを見つかったことがあると主張したため拘束されて、警察署に連行されたという。
裁判所は「肛門を含めるが限定はしない」という捜索令状を発行し、エッカートさんは病院に連れて行かれてX線検査や直腸検査などを受けた。さらに深夜から翌日未明にかけ、3回の浣腸と胸部のX線検査、腸の内視鏡検査を受けさせられたという。結局、麻薬は見つからなかった。
エッカートさんは「(当局は)非道徳的な医療専門家に不必要な体腔の検査を行わせることにより、著しく品性を欠く行為を行った」と主張。捜索令状も内容が広範過ぎて無効だと訴えていた。
和解についてエッカートさんは弁護士を通じ、「市と郡が尊厳を認めてくれたことをうれしく思う」との談話を発表した。