ヤシを食い荒らす害虫が上陸、当局が駆除作戦 ハワイ
(CNN) グアム島でヤシの木を食い荒らして大きな被害をもたらしたカブトムシの一種「サイカブト」が、ハワイに上陸しているのが見つかった。州は貴重なヤシを守るため、米農務省などと連携して駆除作戦に乗り出した。
サイカブトはヤシの繊維を食い荒らして樹液を吸い、葉の付け根に潜り込む害虫。生命力は極めて強く、ハワイで使用が認められている農薬のほとんどは効かないという。
ハワイではオアフ島のホノルル郊外にある米軍基地内のゴルフコースで昨年12月に初めて見つかり、これまでに数千匹の群れが確認されている。
州当局は周辺約1.6キロの範囲に500個あまりのわなを仕掛けるとともに、住民にも協力を呼びかけた。サイカブトの生息環境を破壊する菌類やウイルスを使うことも検討しているという。
オアフ島に上陸した経緯は不明だが、問題のゴルフコースは道路を隔てたホノルル国際空港の隣接地にあることから、民間機でハワイに入って来た可能性もある。
ヤシの木はハワイを象徴する重要な存在。しかしサイカブトの繁殖がコントロールできなければ、膨大な経済損失をもたらす恐れもある。専門家は、今すぐ手を撃たなければ「ヤシの50%が失われ、ひどくみじめな状態になってしまうことも考えられる」と指摘している。
サイカブトは1940年代以来、太平洋の島々で繁殖している。グアムでは駆除に失敗して大きな被害を出した。