お金持ちは好き?嫌い? 愛憎入り交じる米国人
ニューヨーク(CNNMoney) 米国人が富裕層に抱く感情は実に複雑であり、愛憎相半ばしている。自らの努力や才覚によって一代にして富を築き上げた経営者は、米国において尊敬のまなざしを集めることが多い。しかし、格差の拡大が痛切に実感されるようになった近年、富裕層に懐疑的な視線が向けられるようになっているのも事実だ。
米コーネル大学不平等研究センター長のキム・ウィーデン教授は、「米国人は、無一文から大金持ちになるという物語に魅了されている」と語る。
努力次第で誰でも成功できる土壌がある以上、大金持ちになれないのは本人の怠惰や能力不足ゆえだとされるのである。デジタル化が進み、誰もがアイデアを容易に発信することができるようになった現在、この信念はいっそう強まっているようだ。
このような米国特有の富裕層観が、富の再分配に対して消極的な姿勢につながっていると指摘するのは、米ノースウエスタン大学教授で社会学が専攻のレスリー・マコール氏だ。
米国人は一般に、再分配のために富裕層へ課税強化する政策を支持しない。誰にでも一獲千金のチャンスがあるとの認識からだ。