オバマ大統領、アフガン駐留米軍の戦闘任務を延長 米紙報道
(CNN) オバマ米大統領は23日までに、アフガニスタン駐留米軍の戦闘任務を来年も延長する決断を下した。米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。
オバマ大統領は今年5月、アフガンでの出口戦略として、今年末までに米軍を中心とする国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務を終了させる方針を示していた。米軍の完全撤退は2016年末に予定されている。
同紙によれば、方針変更の結果、米軍の戦闘機や無人機は来年も引き続き戦場でアフガン軍部隊を援護することが可能になる。駐留米軍の規模は当初の計画通り、今年末以降も9800人が残留。そのうち半数は来年末までに撤退する見通しだ。
米政権高官がCNNに語ったところによると、大統領が方針を変更したのは、アフガン残留要員の安全確保が目的とされる。「今後は反政府武装勢力タリバーンのメンバーだからというだけの理由でなく、そのメンバーが米軍兵らに直接の脅威を与えたり、国際テロ組織アルカイダを直接支援したりした場合のみ、攻撃の対象にする」という。
同紙は、オバマ大統領の決断の背景に2つの要因があるとの見方を示した。そのひとつは、米軍撤退後のイラクで国軍が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の侵攻に対し、有効な反撃手段を取れずにいること。
もうひとつは、アフガンで米軍の駐留延長に抵抗を示していたカルザイ前大統領に代わり、ガニ大統領が就任したことだという。米国とアフガンはガニ大統領の就任直後、駐留継続を可能にする安全保障協定に調印していた。