CIAの拷問は「成果なし」 実態調査で分かったポイント
CIAは強化尋問が効果を挙げたとする20件の例を掲げているが、報告書はそれぞれの例について「根本的な誤り」が見つかったと主張。こうした手法で得られた虚偽の供述をたどった結果、テロ捜査が行き詰まることもあった。CIAが拷問などによって入手した情報は容疑者らの作り話か、すでに他方面から入っていた内容ばかりだったという。
これに対してCIAは9日、当時入手した情報は「敵への戦略的、戦術的な理解」を深めるのに役立ち、現在に至るまでテロ対策に活用されていると反論した。
3.ビンラディン容疑者の発見は拷問の成果ではない
国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を捕らえた作戦に、強制的な手法は不可欠だったというのがCIAの主張だ。
これに対して報告書は、同容疑者の発見につながった最も正確な手掛かりは、04年にイラクで拘束されたハッサン・グルという人物が拷問を受ける前の段階で明かしていたと指摘。拷問がなくても必要な情報は得られたとの見方を示す。
4.拷問の末、低体温症で死亡したとみられる拘束者もいた
CIAは拘束者らを消耗させるために、眠らせないという手法を取った。最長180時間も立たせたまま、あるいは手を頭の上で縛るなど無理な姿勢を維持させて睡眠を妨害した。