CIAの拷問は「成果なし」 実態調査で分かったポイント
肛門から水を注入したり、氷水の風呂につからせたりする手法や、母親への性的暴行などを予告する脅迫手段も使われた。
排せつ用のバケツだけを置いた真っ暗な部屋に拘束者を閉じ込め、大音量の音楽を流す拷問もあった。
02年11月には、コンクリートの床に鎖でつながれ、半裸の状態で放置されていた拘束者が死亡した。死因は低体温症だったとみられる。
こうした尋問を経験した拘束者たちはその後、幻覚や妄想、不眠症、自傷行為などの症状を示したという。
同時多発テロの首謀者、ハリド・シェイク・モハメド容疑者は少なくとも183回、水責めの拷問を受けた。
アルカイダ幹部のアブ・ズバイダ容疑者が水責めで一時、意識不明の状態に陥ったとの報告もある。同容疑者に対する水責めを撮影した映像は、CIAの記録から消えていた。
5.CIAはホワイトハウスや議会を欺いていた
CIAの記録によれば、ブッシュ前大統領は06年4月まで強化尋問の具体的な内容を知らされていなかった。強化尋問の対象とされた39人のうち、前大統領が説明を受けた時点で、38人がすでに尋問を受けていたとみられる。CIAに残された記録はなく、これよりさらに多くの拘束者が対象となっていた可能性もある。