米スペースX、有人宇宙船の脱出試験に成功
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は6日、民間宇宙開発企業スペースXが有人宇宙飛行を想定した宇宙船「クルー・ドラゴン」の試験を行い、乗員脱出システムが正常に作動することを実証したと発表した。
試験は米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地で行われた。有人宇宙飛行中に緊急事態が発生した場合、乗員を脱出させるシステムが機能することを確認するのが目的で、乗員は搭乗しなかった。
スペースXが民間企業として初の有人宇宙飛行を実現するためには、NASAに対してこの性能を実証する必要がある。
試験ではエンジン8基を搭載したロケットで宇宙船を高度1500メートル前後まで打ち上げた後に、乗員の乗るカプセルがロケットから切り離され、パラシュートが開いてフロリダ沖の大西洋に着水した。かかった時間は2分足らずだった。カプセルは海上から回収される。
試験に使われたカプセルは人が乗れる設計になっているが、今回は等身大の人形の「バスター」が搭乗した。
NASAとスペースXは今後共同で試験データを解析し、脱出システムの問題点の有無やバスターへの影響について検証する。
スペースXによるクルー・ドラゴンの次回の試験は、数カ月後にカリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地で実施される予定。