常連客が遺言で600万円の「チップ」 米NYのステーキ店
ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク・マンハッタンのステーキハウスに毎日通い続けた資産家が、店のオーナー兼ウエートレスに遺言で5万ドル(約600万円)の「チップ」を残していたことが分かった。
アッパー・イーストサイド地区にあるステーキハウス「ドノヒューズ」のモーリーン・ドノヒュー・ピータースさん(53)は12日、「予想もしていなかった。電話を受けてびっくりしました」と語った。
昨年8月に85歳で亡くなった東洋美術品商のロバート・エルズワース氏は、ドノヒュー・ピータースさんの父の代から50年以上、毎日昼と夜にこの店へ通っていた。「もともと父の友人で、私にとっても大切な友人でした」と、ドノヒュー・ピータースさんは振り返る。
エルズワース氏はさらに、週に1度だけウエートレスとして働くドノヒュー・ピータースさんのめいにも5万ドルのチップを残していた。
この店で一緒に食事をしたこともある長年の友人は、「いかにも彼らしい豪快さだ」と話す。
エルズワース氏が所有していたコレクションは今年3月にオークションにかけられた。落札価格は総額1億3400万ドルに上り、史上最高値を記録した美術品が4点あったことからも、価値の高さがうかがえる。
ドノヒューズではいつも昼食にチーズとベーコンのホットサンド、夕食にサーロインステーキを注文し、半分を愛犬に分け与えていたという。
ドノヒュー・ピータースさんは「チップなどよりご本人がここにいてくれたら」と語り、自身やめいや愛犬が知る同氏の気前の良さを「人々の記憶にとどめたい」と強調した。