米赤十字、ハイチ地震の救援募金めぐる疑惑に反論
(CNN) 米赤十字は、2010年に発生したハイチ地震で集めた救援募金4億8800万ドル(約605億円)の使い方に問題があったとする疑惑に対し、「バランスや関連性、正確性を欠く」指摘だとの声明を発表した。
その中で「書面で100以上の質問に答え、国際プログラムの責任者とのインタビューに応じたにも関わらず、われわれの仕事が誤って伝えられたことがとりわけ残念だ」と訴えた。
この疑惑は米公共ラジオ(NPR)と非営利の報道機関「プロパブリカ」が3日に報じたもの。
報道は米赤十字の内部文書やハイチでの現地取材、関係者へのインタビューをもとに構成。自力ではプロジェクトを進められないと判断した米赤十字が寄付金で賄う業務を他の組織に丸投げした結果、間接費や運営費が高騰した問題(プロジェクト予算を3割以上オーバーした例も)などを取り上げた。
また、米赤十字と米国際開発局(USAID)が提携した住宅建設計画について、用地確保の遅れや米赤十字幹部の入れ替わり、方針変更により計画が進まなかったとする会計検査院(GAO)の報告書も引用された。
これに対し米赤十字は、ハイチ支援プログラムにより浄水の供給や衛生状態の向上を実現したほか、「10万を超える人々をテント生活から安全で暮らしやすい住宅に移した」と主張した。
また、恒久的な住宅を6棟しか建てていないとの指摘には、既存住宅の改修や賃貸料の補助など「幅広い選択肢で安全な住宅を供給することに力を入れた」と反論。「13万2000人以上に安全で丈夫な住宅を供給した」としている
もっとも赤十字は、ハイチでの資金の使途について大まかな分類ごとの額は明らかにしているものの、詳細の公表には応じていない。