米陸軍、4万人減の45万人体制へ 任務遂行に支障の懸念も
ワシントン(CNN) 米陸軍は12日までに、国防予算の切り詰めに伴い、現在約49万人の兵力を2017年までに約4万人削減する方針を発表した。陸軍の部隊運用管理部門の責任者であるランディー・ジョージ准将が記者会見で正式表明した。
国防支出の強制削減措置が今年後半に再度適用されればさらに兵士ら3万人の整理が必要になるとし、陸軍の戦闘能力が削がれかねないとの危機感を表明。4万人減らされれば現在のような同時発生的な派兵任務や海外での緊急事態への対応能力に障害が出るとも危惧した。
米陸軍の兵力は2001年9月の同時多発テロ後、最大規模の約57万人に達した。45万人の規模は、12年以降、約12万人の減少を意味する。連邦政府予算の赤字を受け、オバマ政権は軍兵力の見直しを進め、第2次世界大戦後では最小規模にすることに言及したこともある。
4万人の縮小には約1万7000人の民間人職員も含まれる。民間人の大半の削減は陸軍の各司令部で一律25%の人員整理を実施して行う。
部隊での大規模な削減はジョージア州フォートベニング基地、テキサス州フォートフッド基地やアラスカ州エルメンドルフ統合基地などが対象になりそうだ。フォートベニングとエルメンドルフには現在、約4000人規模の旅団戦闘部隊が配置されているが、人員整理で1000人をわずかに超える歩兵大隊規模に格下げされる可能性がある。
陸軍全体では後方支援や通信業務の部隊、憲兵隊などにも削減が波及することも考えられる。
今回発表された兵力削減計画に対しては、米国は今後、大規模な地上戦を2カ所で同時に遂行しないとの想定を踏まえれば、意味があるとの評価もある。ただ、基地などを抱える地域社会にとっては地元振興で課題を突き付けられる問題になるとも述べた。