メキシコ産コリアンダー、米が一部輸入禁止 腸疾患の原因
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は29日までに、2012年から米国内で症例報告が相次いでいた腸疾患について、メキシコ・プエブラ州の農家から輸入したコリアンダーが原因だったと断定し、毎年4月から8月まで同州からの生のコリアンダー輸入を原則として禁止すると発表した。
FDAの27日の発表によると、プエブラ州から輸入した生のコリアンダーに関連して、12年以来、疾病対策センター(CDC)や州当局が数百人のサイクロスポラ症感染を確認した。
CDCによると、サイクロスポラ症は寄生性原虫のサイクロスポラによって引き起こされる腸疾患で、消費から1週間ほどで下痢や嘔吐(おうと)などの症状が表れる。
FDAはメキシコの当局と共に12~15年にコリアンダーを生産するプエブラ州の農家や包装工場11カ所の検査を実施。このうち5カ所で寄生虫の痕跡が見つかり、8カ所で不衛生な環境が確認された。
コリアンダーを生産している畑の中や周辺からは人間の汚物やトイレットペーパーが見つかったという。トイレは水が流れず、石けんやトイレットペーパーもなかった。コリアンダーの仕分けなどに使われるプラスチック容器やテーブルは洗浄されず、ある農家では従業員が用を足した後に手を洗うための水を供給するタンクから、サイクロスポラの陽性反応が出た。
FDAはプエブラ以外の州で生産された生のコリアンダーについても、生産地などの証明書がなければ4月~8月はメキシコからの輸入を認めない方針。