米ユダヤ教施設銃撃事件の被告、有罪評決にナチス式敬礼
(CNN) 米カンザス州のユダヤ教施設で起きた銃撃事件で、第一級殺人の罪に問われていた被告に31日、有罪の評決が言い渡された。
フレージャー・グレン・クロス被告(74)は昨年4月、同州カンザスシティー近郊にあるユダヤ系コミュニティーセンターの駐車場で少年と祖父を射殺し、さらに近くの高齢者介護施設の駐車場で女性1人を殺害したとして、殺人罪に問われていた。
クロス被告は普段から反ユダヤ主義、白人至上主義を唱えていたとされる。検察は最終弁論で、「被告の目的は両施設でできるだけ多くの人を殺害することだった」と述べた。
被告は裁判で、白人をユダヤ人から守ろうとしたと説明。「人間ではなく、ユダヤ人を殺すのが目的だった」などと述べ、無罪を主張した。法廷内で攻撃的な発言を繰り返し、判事に退出を命じられる場面もあった。
有罪の評決を受けた被告は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツの集会で使われた「ジークハイル(勝利万歳)」の言葉とともにナチス式の敬礼をしてみせた。
裁判はこの後、死刑に相当するかどうかを判断する量刑審理に移る。