米中首脳会談、サイバー攻撃問題などで合意 溝も
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は25日、訪米中の習近平(シーチンピン)中国国家主席とホワイトハウスで会談し、軍事的な誤解を避けるための取り組みを両国が進めるほか、商業的な利益を得ることを目的としたサーバー攻撃を行わないことで合意したと発表した。
一方、アジアの緊張を増幅させている領有権争いについて、習主席は中国の権益を断固として擁護する姿勢を示した。
首脳会談は21発の礼砲とともに開始。両国は気候変動やテロ対策など双方が協力できる分野を模索するが、領有権争いやサイバー攻撃などでは緊張が高まっている。
オバマ大統領は習主席に対し、「両国は協力関係にあるが、相違点についても率直に取り組む必要があると考えており、習主席も同じ考えだと思う」と発言。習主席も、すべての問題について見解が一致するわけではないことを認めたうえで、「双方の利益と懸念を尊重し、相違や不一致に寛容である必要がある」と述べた。
立場の違いが鮮明になったのは、サイバー攻撃をめぐる問題。オバマ大統領は、サイバー攻撃による企業秘密などの窃取を行わないことで双方が合意したと発表する一方、こうした行為に加わったことが発覚した中国企業などに対しては、依然として制裁を科す準備があると警告。「サイバー攻撃をやめなければならないと述べた。習主席に伝え、米国民にも言いたいのは、言葉だけでなく行動が伴うかが目下の問題だということだ」と述べ、今後の進展を注視する意向を示した。
両首脳は、南シナ海の人工島などに中国が軍事施設の建設を進めている事態をめぐり、アジア地域で緊張が高まっていることについても議論。オバマ大統領は「両国の軍隊の間で不測の事態が起きるリスクを減らすため、新たな対話の窓口を開くことで合意した」と述べた。
今回の合意では、海軍艦船の艦長らに対し、迅速な意思疎通を図りその意図を明確にすることを求めたほか、国家安全保障上の対立に発展しかねない衝突を回避するため、安全な距離を保ち「無礼な言葉づかい」や「非友好的なそぶり」を避けることも定めている。